衝撃事件の核心

「賠償は天文学的やで!」辞めると切り出すと「セクハラでっち上げ」 仰天〝退職阻止〟訴訟の顛末

「女性一人では物騒だ。井上を一人で事務所に残さないように」

大岩代表のこんな指示により、藤田さんは井上さんより早く帰ることはできず、退社は午後9時ごろになることが多かったようだ。

出社から朝の掃除開始、外回り、退社まですべて大岩代表らへの報告が義務づけられていた。バイクでの営業は夏は暑く、冬は寒い。帰るのが午後11時になることも少なくなかった。

「休日出勤をしても代休がなく、体がつらい…」。藤田さんは入社後3年にして辞めることを決意。しかし大岩代表に退職を切り出した途端、とんでもない怒りを買うことになる。

「けんか、いつでも買ったる」

藤田さんは26年8月、外回りに出る前に井上さんに退職届を渡した。

すぐに大岩代表から電話があった。円満に退職するため、藤田さんは「父親が倒れ、介護が必要なんです」と伝えたが、大岩代表は事前に相談がなかったことに立腹。「対策書」なる書面を書くよう命じられた。

《相談もせず自分の考えだけで行動したので今後は相談するようにします》

その日の仕事が終わった後、藤田さんは大岩代表の自宅に呼び出された。

「退職理由が違ったら、分かってるやろな」

「けんか売っているならいつでも買ったる」

翌日も大岩代表は藤田さんに「仕事以外の話(退職の話)をしてけんか売るなら、いつでも買ったる」と腹の虫がおさまらないようだった。

藤田さんはおびえ、一刻も早く会社を辞めたいと焦りが募った。

2日後の昼。勇気を振り絞って外回り先から大岩代表に電話を架け、再び「退職したい」と伝えた。その日の夜、事務所で話し合いの場が持たれることになった。

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