今世紀になって黄禍の物語は中国が主人公になってきた。複雑な国際関係は、決してゼロサムゲームに単純化はできないが、わかりやすいだけに政策決定にも及ぼしかねない。人種戦争を起こさずに寓話(ぐうわ)にとどめられるかどうか、本書は過去と未来を展望する基点となるに違いない。(名古屋大学出版会・5400円+税)
書評
大阪大学准教授・橋本順光が読む 『人種戦争という寓話 黄禍論とアジア主義』廣部泉著 大戦での政策 世論に影響された日本と冷静さ保った米国対比
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今世紀になって黄禍の物語は中国が主人公になってきた。複雑な国際関係は、決してゼロサムゲームに単純化はできないが、わかりやすいだけに政策決定にも及ぼしかねない。人種戦争を起こさずに寓話(ぐうわ)にとどめられるかどうか、本書は過去と未来を展望する基点となるに違いない。(名古屋大学出版会・5400円+税)