20日午前には倉庫内の温度が下がり、消防隊員が正面玄関から2、3階に入り、建物内部で本格的な消火活動を開始。21日には火勢が弱まり、それまでに開けた14カ所に加えて新たに5カ所の壁を破壊して注水。22日午前9時半ごろ、ようやく延焼の恐れがない鎮圧に至った。
倉庫は2、3階を中心に大きく焼損した。
菅官房長官は22日の記者会見で「防火シャッターなど複雑な構造になっていることから建物内部での継続的な消火活動が困難だった」と説明した。
菅長官の発言もあって、総務省消防庁も職員9人を派遣。出火原因の調査と大規模倉庫の防火対策などを検討することとなった。埼玉県警は鎮火を待って出火原因の調べを本格化させる。
菅長官は「反省すべき点は多々ある」とアスクル側に猛省を促すことも忘れなかった。
「ネット通販」で消費者の支持を得てきた同社の岩田彰一郎社長は鎮圧が確認された22日、倉庫前で「近隣の皆さまや自治体、お客さまにご迷惑をおかけした」と深く頭を下げた。月内にも住民説明会を開き、健康問題などの相談にも応じるというが、信頼回復は容易ではない。
(さいたま総局 宮野佳幸、川上響)