大規模な倉庫火災は周辺住民の生活も直撃した。
自営業の男性(74)は「煙と臭いがすごい。家族が6人いるから毎日洗濯しなきゃいけないのに干せない」と頭を抱えた。
無職、井田千代さん(80)は「家の中でもビニールが焼けた臭いがした。散歩に出られないし、疲れてしまった」と苦笑。「早く元通りになってほしい」と願った。
19日未明には倉庫3階の南東側でスプレー缶への引火が原因とみられる2度の爆発が発生。三芳町は同日、近隣の6世帯16人に避難勧告を出し、3世帯の10人が同町立中央公民館などに一時避難した。同町学校教育課は、小中学校3校でグラウンドでの体育や部活動を中止するよう指示。全校生徒に登下校用のマスクを配布した。こうした対応は22日の鎮圧を受けて全て解除されている。
現場から約500メートルの同町立上富小に通う3年の男児(9)は、鎮圧後に「ずっとマスクをしていて、外でも遊べなかった。もう燃えないでほしい」。家族と親族宅に避難していた自営業の40代男性は「子供は家に帰ってくると落ち着いている感じだ」と安堵(あんど)した。一方で、「こういう施設が安全じゃないんだなと思った。検査や見直しが必要だと思う」と話した。
上富小が行った児童に対する健康状態の聞き取り調査では、重篤な身体的、精神的な被害は確認されていないという。