福島第1原発事故

全町避難の福島・双葉町 時が止まった6年 「町に戻りたい」わずか1割強

 町南東部の町立双葉南小学校は、特に震災直後の様子が色濃く残っていた。

 教室の黒板には東日本大震災が発生した「三月十一日(金)」と書かれたまま。教室や玄関のげた箱付近には多くのランドセルが置き去りになっていた。一方で、2年生の教室の壁に張られていたクラスの集合写真は、児童の顔が分からないほど白く変色。年月の経過を感じさせた。

 「時が動き出した」地区もある。運行休止区間にあるJR双葉駅の西側約40ヘクタールの土地は放射線量が比較的低く、町は除染作業を行った上で町復興の拠点とする計画だ。周辺では急ピッチで除染が進められており、5年後をめどに役場や医療機関などを整備するという。ただ、所々に集められた汚染土を詰めた袋が復興の難しさを物語る。

 復興庁が昨年11月に取りまとめた全3355世帯を対象にした住民意向調査(回収率48.5%)では、避難指示解除後に「町に戻りたい」と回答したのは全体の13.4%にとどまった。

 「どれだけ帰ってくる住民がいるのか…」。除染作業の様子を見ながら町職員はそう漏らした。(福田涼太郎)

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