ソウルからヨボセヨ

陸の孤島平昌に五輪の恩恵どれだけ?

スキージャンプ台で飛ぶテストジャンパー=8日、韓国・平昌(納冨康撮影)
スキージャンプ台で飛ぶテストジャンパー=8日、韓国・平昌(納冨康撮影)

 遠い、とにかく遠い。来年2月の平昌(ピョンチャン)五輪開幕を1年後に控え、スケート競技の会場がある韓国北東部、江原道(カンウォンド)江陵(カンヌン)市から隣の平昌郡の郡庁に取材に訪れた。

 交通量も少ない高速道路と下道をタクシーで飛ばして1時間半。人口約4万3千人の平昌郡はソウル市の約2倍半に当たる約1460平方キロの広さを持つ。平昌五輪は江陵を含め、主な競技場が「車で30分圏内」の「コンパクト五輪」が売りだ。だが、各競技場は平昌郡内の北東部に集中し、南西部の郡庁から車で1時間はかかる。

 標高差もあるため、会場がある地域に比べ、「気温も高いんです」と郡の担当者が笑いながら教えてくれた。かつてはソウルから車で半日かかる陸の孤島で、ソウルで「平昌ってどこ?」と聞き返されることもあった。五輪に合わせ、ソウルと約1時間で結ぶ待望の高速鉄道が開通する。

 ただ、高齢化が進むこの地域にあって依然、バスが住民たちの生活の足だ。そのバスの運転手らが郡庁前で横断幕を掲げ、賃金値上げを訴えていた。広大な郡内を低運賃で回るのにも限界があるのだろう。町の玄関口であるはずのバスターミナルの老朽化も目立つ。五輪の経済効果は、住民らの足にどれだけ恩恵をもたらすのだろうか。(桜井紀雄)

会員限定記事会員サービス詳細