昨年6月に閉店した花巻市の老舗デパート「マルカン百貨店」の大食堂が20日、以前のレトロな雰囲気そのままに同じ場所で復活した。営業再開を待ち望んでいた全国のファンや市民らが大勢訪れ、久しぶりの懐かしの味を笑顔で堪能していた。
この日の花巻市は朝から雪模様。気温も上がらず、真冬日の寒さとなったが、正午の開店前に約150人の行列ができた。
一番乗りは、東京都足立区の会社員、佐藤幹彦さん(36)。10年ほど前、同市内の友人に連れられてきた際に食べた、高さ約25センチの特大ソフトクリームに魅せられ、以来7度ほど来店していたという。
佐藤さんが注文したのは特大ソフトと一皿にナポリタンと豚カツがのった「ナポリかつ」。食後、「相変わらずのボリュームで大満足。感無量です」と満面の笑みを浮かべた。
同僚3人と来店した市内の会社員、佐藤利子さん(54)はピリ辛のあんをかけた人気メニューの「マルカンラーメン」に舌鼓。「小さいころから親しんできた味。とてもうれしい」と営業再開を喜んだ。一方で約50人のスタッフは、次から次へと訪れる客の注文に追われていた。