北朝鮮の金正男氏暗殺事件をめぐり、マレーシアは、駐北朝鮮大使を召還した。
北朝鮮側の事件対応への抗議のためだ。外国の主権を一顧だにしない陰惨な要人暗殺事件は、北朝鮮政権の主導によるとみられている。当然の対応だろう。
マレーシアの警察当局は国際刑事警察機構(ICPO)の協力をあおぎ、真相の解明に乗り出している。
日本を含む関係各国も捜査に全面的に協力し、「事実」を北朝鮮に突きつけてほしい。
金正恩朝鮮労働党委員長の兄、金正男氏は13日、クアラルンプールの空港で襲われ、死亡した。毒殺とみられるが、毒物は特定されていない。
マレーシアの警察当局はすでに外国籍の女2人、北朝鮮国籍の男1人を逮捕し、北朝鮮国籍の4人の氏名を特定した。
4人は犯行当日にマレーシアを出国し、ジャカルタかスラバヤ、ドバイ、ウラジオストクを経由してすでに北朝鮮に帰国しているとされる。いずれもICPO加盟国の都市である。正式な国際情報照会手配(青手配)を通じて足取りの詳細を明らかにし、非加盟国の北朝鮮に確認を迫るべきだ。
駐マレーシアの北朝鮮大使は死亡男性が外交官用旅券を所持し、北朝鮮の保護下にある国民だとして、司法解剖に抗議し、遺体の引き渡しを求めた。この問題を国際法廷に訴えるとも述べた。