平昌は地域の約6割が標高700メートル以上だが、江陵の会場は海沿いの低地。そのためカルガリーに比べ空気抵抗がある分を風で補おうとしたのでは-と類推する声がある。「記録が出るいいリンクという評判を得たいのだろうが」(ある日本選手)というわけだ。
理由はともあれ、先のオランダ選手が話すように常に一定の風が吹いているなら大きな問題にはならないだろうが…。
「逆風」「凪(なぎ)」の恐怖
2014年韓国・仁川で行われたアジア大会のバドミントン会場で、日本チームへの「逆風」が問題となった。男子団体準々決勝の日韓戦で逆転負けした日本選手が「向かい風」の洗礼を示唆。第1ゲームを楽勝で取ったものの、第2、第3ゲームに突然向かい風を受けて落としてしまい、逆転負けしてしまった。
当時の代表コーチは第2ゲーム途中に審判本部に空調を抗議。隣のコートでプレーしていたインドネシア選手からも「風向きが変わった」と指摘があったというが、日本バドミントン協会が正式に抗議しなかったため真相は藪の中だ。
今回、スピードスケート会場の空調がはき出す風もかなり微妙に流れる。強い選手が滑るとき風量が弱まればどうなるか。例えば女子500メートルは0秒5の差が金メダルと4位を分ける。スキージャンプのように競技の際受けた風の強さによってポイントを調整する仕組みはなく、というより、無風が前提の室内競技のため追い風参考という概念すらない。