壇蜜さんも取得「エンバーマー」 ご遺体を生前の姿に〝修復〟高まるニーズ…業界団体、国家資格化めざす(2/3ページ) - 産経ニュース

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壇蜜さんも取得「エンバーマー」 ご遺体を生前の姿に〝修復〟高まるニーズ…業界団体、国家資格化めざす

 エンバーミング(遺体衛生保全)を担当した葬儀会社の宇屋(うや)貴さん(39)は、何度も妻を説得した。「私たちにしかできないことがある」。次第に妻の気持ちも落ち着き、処置に同意した。特殊な薬剤を遺体に注入すると頬はふくよかに。化粧を施すと、鮮やかな顔色を取り戻した。処置を終えた夫と対面した妻は、泣き崩れた。

 「お父さん、お帰り。ありがとう…」。当初は家族だけで静かに送り出そうと決めていたが、考えは一転。「お世話になったみなさんに姿を見てほしい」と呼びかけ、葬儀には100人近くが訪れた。

 関西で数年前にあった事例。「きれいな顔を見て、思い出と感謝の気持ちが一気に駆け巡ったのだろう」。宇屋さんは振り返る。

変わる価値観

 火葬文化が発達する日本では、エンバーミングは軽視されがちだった。病気や事故で遺体が変容・損傷していたとしても、包帯で隠すなどしてそのまま火葬するケースが多かった。

 だが近年は、そうした価値観に変化が生じてきた。

 エンバーマーを養成する日本遺体衛生保全協会(IFSA)によると、日本での葬儀の意味合いが、社会に向けたものから、故人や家族を中心とする方向に変化。「元気だった姿」で故人とお別れしたいと願う家族が増え、処置数は年々右肩上がりだ。