産経抄

家出のすすめ 2月20日

 ▼ところが、「昨今、出るべき家がない」と嘆くのは、脚本家の小山内(おさない)美江子さんである。「家出」をテーマにした随筆に書いている。「帰宅しなくても無断外泊だろうぐらいにしか思わない家族の絆の希薄さは、どれほど家出という言葉の魅力をとぼしいものにしているか分からない」と。

 ▼少年の家族は警察に行方不明の届けを出していた。くわしい家庭の事情は不明である。少なくとも少年には、「出るべき」そして「帰るべき」家があった。大阪から青森まで走りきったエネルギーを、今後は勉学や仕事に向けてもらいたい。

 ▼もちろんその前に、盗んだロードバイクの持ち主である高校生に、誠意をもって謝罪しなければならない。

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