華麗なる宝塚

実咲凛音、自身の中に感じるお笑いのDNA 掛け合い漫才のような朝夏との日常会話、退団公演で集大成

 「役と近い分、難しくもありますが、最後に新しい挑戦ができる。集大成の公演で本当の自分を出すことにも挑んでいます」

 平成21年入団。24年に前トップ、凰稀(おうき)かなめの就任とともに娘役トップに。凰稀退団後の一昨年から、朝夏の相手役を務めてきた。端正な容姿に、高い技術力で早くから注目されてきたが、「不器用」という自身は常に必死だったという。

 「髪形だって、宝塚に入るまで自分で編み込みができなかったですし」と苦笑い。下級生時代、先輩たちの美しい髪形を見よう見まねし、毎日、自分の髪で稽古した。「今も凝った髪形は1時間近くかかるので。髪形をほめられると私もできるようになったんだなと思う」と笑う。

 苦しかった時期もあるが振り返れば、幸せな思いだけが残る。「大変さも幸せ。今、計り知れない幸福感がある」。宝塚で人生が変わったそう。「人を思う心が何より大切と教えていただいた。すべての出会いがあって今の私がある。すべての巡り合わせが奇跡」

 初配属の花組で出会った先輩の朝夏と、時を経てトップコンビを組んだこともそのひとつ。「朝夏さんは出会った頃から全く変わらない。嘘がなくまっすぐで懐が大きく、的確に心に刺さる言葉をくださる」

 特に心に残ったのは-。「多すぎて〜。質問を知っていたら、考えてきたのに」と笑わせる。「一緒に舞台を作らせていただいて本当に幸せでした。幸せと感謝しかない。多分、死ぬときに走馬燈のように蘇るくらい濃密な日々でした」

 その朝夏からは「最後は自分のために花を咲かせなさい」と言われた。トップスターを支える娘役トップに対する「最大級の愛の言葉」と感じた。「舞台で私がもっとよくなるようにという課題でもある。トップさんを思う心を大切に、舞台で輝きたいと思います」