安倍晋三首相は17日の衆院予算委員会で、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に関し「団体が犯罪集団に一変した段階で(構成員が)一般人であるわけがない。組織的犯罪集団と認めることは当然で、取り締まりの対象となるのは明確だ」と強調した。
法務省は16日の衆院予算委理事懇談会で「正当に活動する団体が犯罪団体に一変した場合は処罰対象になる」との見解を示しており、首相も追認した形だ。首相は「大切なことはお互いに国民の生命と財産を守ることだ」とも強調した。
法務省見解に対しては、朝日新聞と東京新聞が17日付朝刊の1面トップで「一般人対象の余地」などと批判的に報道。民進党の山尾志桜里前政調会長も同日の衆院予算委で「法務省刑事局長は『犯罪を実行する団体に限られる』と答弁していた。矛盾している」と追及した。首相は「『一般の方を取り締まるものではない』という趣旨の答弁であり、矛盾はない。強引に矛盾しているように見せかけている」と反論した。
一方、政府は改正案の対象犯罪を当初の676から277に減らす方針を固めた。3月上旬にも閣議決定し、国会提出する運びだ。