防衛最前線(109)

陸自の最新型「16式機動戦闘車」は統合機動防衛力の大黒柱 南西諸島での展開も視野に

 司令部や他の機動戦闘車との間でリアルタイムに情報共有できるシステムも搭載しており、より効果的な運用が可能だ。

 機動戦闘車の大きさは全長8・45メートル、幅2・98メートル、高さ2・87メートル。重さは約26トンだが、10式戦車の約44トンに比べれば大幅に軽くなった。車体は三菱重工業が、主砲は日本製鋼所が製造した。

 乗員は4人で、陸自関係者によると「タイヤで走るので、戦車に比べて揺れは少ない」という。8つあるタイヤをスタッドレスタイヤに交換すれば雪道も走行可能だ。

 機動戦闘車の予算は平成28年度に36両分が盛り込まれ、現在国会で審議中の29年度には33両分が計上されている。今後は順次全国に配備されていき、まずは今年秋に第8師団(熊本)と第14旅団(香川)、30年度には第11(北海道)、第6(山形)、第4(福岡)の各師団に導入される見通しだ。なお、第14旅団長の柴田昭市陸将補は機動戦闘車の開発に携わった経歴を持っている。

 機動戦闘車は昨年、毎年恒例の「富士総合火力演習」に参加したが、まだ主砲の威力を一般向けには披露していない。現場部隊への配備は今年秋なので、直前となる見通しの今年の総火演でも、披露は難しいかもしれない。だが、できれば一足早く、その火力を私たちに示してもらいたいものだ。

(政治部 小野晋史)

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