金正男氏殺害

「私や家族を助けて」 正男氏は弟・正恩氏に命乞いの手紙を送っていた 韓国情報機関「2012年にも暗殺計画」

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄で、マレーシアで死亡したとされる金正男(ジョンナム)氏(45)について、韓国統一省報道官は15日、「政府は殺害されたのは確実だと判断している」と記者会見で述べた。情報機関、国家情報院は、正恩政権発足直後の2012年にも北朝鮮当局が本格的に正男氏の暗殺を企てたと明らかにした。米韓当局は、北朝鮮工作員による暗殺との見方を強めている。

 国情院が15日、国会議員に説明したところによると、金正男氏が13日午前9時ごろ、クアラルンプール空港で、マカオ行きの便に搭乗するため、列に並んでいたところ、若い女2人が接近し、うち1人が正男氏の体に接触した。その後、正男氏は空港のカウンターに助けを求め、近くの病院に搬送されたが、死亡した。米政府当局者はロイター通信に、北朝鮮工作員による殺害だと「強く信じている」と語った。

 マレーシア紙スター(電子)は、空港の防犯カメラに写った白いシャツを着た女の映像を報道。同国警察が現場から立ち去った女2人の行方を追っている。当局は2人がマレーシアを出国していないとみている。

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