民営化頓挫の高齢者医療・介護施設 建て替えに向けた設計調査に着手、大阪市

万博記念公園や千里ニュータウンに近い場所にある弘済院。付属病院や特別養護老人ホームがある=吹田市(弘済院提供)
万博記念公園や千里ニュータウンに近い場所にある弘済院。付属病院や特別養護老人ホームがある=吹田市(弘済院提供)

 大阪市は、平成29年度、吹田市にある高齢者専門の医療・介護施設「大阪市立弘済院」の付属病院(90床)の建て替えに向けた設計調査に着手する。同病院をめぐっては過去に民営化構想が頓挫し、大阪市内への移転を断念した経緯があり、建設費確保や赤字体質が課題となってきた。市は3月中に特別養護老人ホームを含めた施設全体の整備構想をまとめる方針だ。

 弘済院は吹田市の万博記念公園に隣接する広大な敷地で付属病院(一般90床)と特別養護老人ホーム2施設を運営している。明治42年に大阪市内で発生した大火の際、皇室からの下賜金や市民からの義援金を基金として大正元年に設立された財団法人が前身で、昭和19年に大阪市が事業を引き継ぎ病院を運営してきた。

 その後、41年に第1特養を、平成2年には認知症専門の第2特養をそれぞれ開設。17年には第1特養を建て替え、ほかの施設では入所困難な認知症患者を受け入れている。

 課題となっているのは付属病院の建て替えだ。現在の病棟は昭和43年の建築で老朽化が激しく、耐震基準も満たしていない。規模が小さいうえ、1病床あたり収入も低く、平成27年度は7億円の赤字を出した。

 市は25年、認知症専門という機能を残すことを条件に土地建物を売却して民間に運営を委ねる方針を決めたが、市場調査で医療法人などから否定的な意見が相次ぎ頓挫。27年には大阪市淀川区への移転も持ち上がったが断念した。

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