冬の和スイーツ

「水ようかん」福井県に独自の文化 健康和菓子としても注目

 この店だけで平日は一日で100〜120個、土日は一日で180個も売れるダントツ1位の商品だ。以前は福井県内でしか食べられなかったが、4年前に密封容器が開発され、百貨店催事やアンテナショップで東京進出。この店でも今年から取り扱いを10社に増やした。霊峰白山(石川県など)の伏流水で仕込む大野市「奥越菓庵やまうち」、越前市のウィーン菓子店「シュトラウス金進堂」など、食感や甘みを食べ比べるのも楽しい。

 福井市内の最大手「えがわ」のA4サイズ(520グラム)700円ほか、各社の半サイズをそろえる。「福井出身の友達に教えられて4、5回は買いに来ている。素朴で飽きがきません」とは目黒区の主婦(48)。

こたつで食べると最高

 県内に200もの製造元があり「丁稚(でっち)ようかん」とも呼ばれる。「昔はあんこや糖は高級品。水増しした水ようかんは手頃で、(働きに来ていた)少年たちの里帰り土産として定着したとの説があります」と飯田さん。大正時代に発祥し戦後に発展したとされる福井の水ようかん。「昔から変わらない味とスタイルが、堅実で保守的な県民性に愛され続けている」と語るのは福井市で水ようかん容器を作るカリョーの新谷雅嗣社長(60)だ。「福井では冬に、縁側で凍らずに保存できる半面、糖度が低く添加物も使わないので夏の暑さにはもちません。だから冬限定。こたつで食べる水ようかんは最高ですよ。県民に愛される一番の理由はおいしいから」