【ワシントン=小雲規生】トランプ米大統領は8日、高級百貨店ノードストロムが娘のイバンカさんの名前を冠したファッションブランド「イバンカ・トランプ」の販売中止を決めたことについて、ツイッターに「私の娘のイバンカがノードストロムから極めて不当な扱いを受けている。ひどい!」と投稿した。トランプ氏はこれまでにも多くの企業を批判してきたが、愛娘のブランドが追い込まれた苦境にも怒りが収まらないようだ。
米紙ワシントン・ポストによると、ノードストロムは販売中止の背景として、イバンカ・トランプは昨年後半から販売不振が目立っていたと説明。「販売継続がビジネス上の意味をなさない状況に陥っていた」としている。
トランプ氏の投稿に対しては、大統領が家族の事業上の利益のために民間企業の商取引に介入したとの批判が出ている。しかし、トランプ氏はイバンカさんについて「素晴らしい人間だ。いつも私が正しいことをするように仕向けてくれる」と称賛した。
米国では昨年10月から、「グラブ・ユア・ウォレット(財布のひもを締めろ)」と称するトランプ家の関連商品の不買運動が続いており、イバンカ・トランプの販売不振に影響を与えた可能性がある。イバンカさんは1月12日にブランド運営を含めたトランプ家の事業から身を引くと発表している。