捕獲シカ肉を有効活用 創作ジビエ「イズシカめんち」誕生 - 産経ニュース

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捕獲シカ肉を有効活用 創作ジビエ「イズシカめんち」誕生

 農作物を食い荒らさないように捕獲したシカの肉を有効利用しようと、県立大の研究グループが創作ジビエ料理「イズシカめんち」を開発した。シカ肉を食べやすくひき肉にして使うメンチカツをメインに、本県特産でシカの食害を受けているシイタケとワサビも使用。今月から静岡市清水区の飲食店で提供されており、研究グループ代表の市川陽子准教授(51)は、「シカ肉のおいしさを味わうとともに、食害被害や生態系保護について考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 シカは、県東部の山間部を中心に県内に5万頭以上いると推定されている。農作物を食べて被害を与えることから、県や各市町が計画的に駆除しており、平成27年度には1万6千頭以上が捕獲された。

 「捕獲活動を継続して農家を保護するためにも、シカ肉の有効利用は重要」と考えた研究グループは、シカ肉が高タンパク、低脂質、高鉄分で食材として優れていることに注目。味や臭いにくせがあるシカ肉を食べやすくする新メニューの開発に挑んだ。

 わずかに流通するシカ肉は、高級レストランのジビエ料理の食材として人気があるが、市川准教授は「もっと気軽にシカ肉に親しんでもらい、野生動物の肉を食べたことがない人にも興味を持ってもらえるよう、B級グルメ料理をつくりたかった」と話す。メンチカツを選んだのは、ひき肉にすれば端肉を余すことなく使えると考えてのことだ。

 研究グループを立ち上げてから数年後となる一昨年秋には試作品が完成したが、実際にメニューを提供してくれる飲食店探しが難航。最終的に静岡市清水区の「ごはん屋さくら」が賛同してくれた。同店では今月から「イズシカめんち定食(1080円)」をメニューに並べている。シカ肉が手に入る限り数量を限定せず提供するといい、店主の伊藤忠雅さんは「野生動物の肉のぼそぼそ感がないよう柔らかさを出し、独特のくさみを消すべく頑張りました」と話している。

 県によると、シカによる本県の農作物被害は年間5億円近くに達している。県では今年度、シカ捕獲エリアに静岡市や浜松市の山間部を追加。来年度からの特定鳥獣管理5カ年計画に沿って、予算も今年度の1・5倍に増額し、食害対策にあたることにしている。