主張

文科省天下り これでも道徳の「本丸」か

 文部科学省の天下り斡旋(あっせん)の手口が分かってきた。人事課OBを介し、法の抜け道をつくる。組織的で悪質だ。

 これが教育をつかさどる官僚のすることかと、暗澹(あんたん)たる気分になる。

 衆院予算委員会の集中審議で、先月、引責辞任したばかりの前川喜平前事務次官は、組織的な斡旋を認め、「万死に値する責任がある」と謝罪した。遅きに失している。

 斡旋の調整役を担った人事課OBは「人助けのつもりでやってきた」と釈明した。言葉通りに受け取る人がいるだろうか。

 違法行為を生んだ背景を含め、徹底した解明を求めたい。

 平成20年施行の改正国家公務員法で、現職職員による斡旋や在職時の求職行為が規制された。翌21年から、このOBが斡旋を始め、一般社団法人「文教フォーラム」がその拠点となった。

 その後、人事課が関与する体制ができたというが、こうした仕組みは、歴代事務次官ら上層部も認識していたものだ。

 改正法は天下りを一律に悪いといっているわけではない。官民癒着が疑われないよう、透明性を持って行うルールを定めた。それを破り、こっそり裏口から入る脱法行為は許されない。関わった幹部らの責任は免れまい。

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