東日本大震災から6年近くなる。こうして明らかになったいじめは氷山の一角だろう。子供たちの痛切な思いを受け止めたい。
横浜市の生徒のいじめ問題では、「(原発事故の)賠償金をもらっているだろう」などといわれ、同級生とのゲームセンターでの遊興費などに約150万円を使っていた。
市教委の教育長がこの金銭授受について、「いじめと認定することは難しい」と発言し、大きな反発を招いた。生徒側は撤回を求めている。
多額の金銭授受は、恐喝事件にも問われかねない事態だ。それを把握しながら、指導を怠った学校側の無責任さにあきれる。
まず、学校現場が見て見ぬふりをせず、いじめの芽を摘んでいかねばならない。子供たちの問題は大人社会を顕著に映している。
見えない放射線に科学的根拠なく不安を抱き、いまだに風評被害が払拭されない。「賠償金」という言葉のもとも、大人の陰口にあると考えるべきだ。新聞などメディアを含め差別と偏見を許さない社会をつくることに心したい。