浪速風

インフルエンザを退散させるには

「風の神送り」という上方落語がある。古い演目で廃れていたのを桂米朝さんが復活させた。悪い風邪が流行したので、町内総出で「風の神送り」をすることになった。張りぼての人形を作り、鉦(かね)や太鼓で囃(はや)しながら川や海に流して退散させる。江戸時代に行われていた風習という。

▶「風の神」を投げ込もうとすると、「お名残惜しい」という奴がいる。声の主を引きずり出してほおかむりを取ると、薬屋の若旦那(あるいは医者)。夜になって川下に仕掛けた網に人形がかかる。「なんじゃい、お前は」「風の神じゃ」「さては夜網(弱み)につけ込んだな」が下げである。

▶インフルエンザの患者数が急増し、1月23〜29日の1週間で推計200万人を超えた。33都府県で1医療機関当たり30人の「警報レベル」を上回った。弱みにつけ込まれぬよう、マスクをして人ごみを避け、外出後のうがい、手洗いを徹底する。総出の「風の神送り」で流行を食い止めたい。