プロ野球、福岡ソフトバンクホークスが、ヤフオクドームでの公式戦全66試合の入場料を、需給に応じて変える「変動価格制」にすることが5日分かった。ヤフーの人工知能(AI)を使い、天候や順位、対戦チームなどに応じて座席単位で価格を調整する。ホームでの公式戦全試合で、変動価格制を導入するのは日本のプロ野球で初めて。
対象はスマートフォンで入退場を確認する「電子チケット」で、ホークスはAIの需給判断に基づき、座席ごとの入場料を1日1回改定する。当面は1試合あたり100席分を、変動価格で販売する方向で調整している。
ただ、選手が限定ユニホームを着用する恒例イベント「鷹の祭典」など、人気の高い特別な試合については、変動価格での販売枚数を増やすことも検討する。
ホークスは昨年、AIによる変動価格チケットの実証試験を行い、定価9千円の席に最高で9900円の価格がついた。利用者からは「グラウンド側で、普段は入手しにくい席が買えた」などと好評だったという。
昨年の実証試験では価格の変動幅を10%以内に抑えていた。ホークスはシーズンを通じた本格運用を機に、今シーズンは変動幅を拡大し、柔軟な料金設定を取り入れる考えだ。
米大リーグでは2010年ごろから、チケットの変動価格制を導入している。国内ではホークスのほか、東北楽天ゴールデンイーグルスも今シーズンから本拠地での試合に、球場エリア別の変動価格制を導入する方針だ。