台湾・蔡英文政権、尖閣、靖国では慎重姿勢 対日配慮の表れ

台湾の蔡英文総統(田中靖人撮影)
台湾の蔡英文総統(田中靖人撮影)

 【台北=田中靖人】台湾の蔡英文政権は、訪日したマティス米国防長官が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)への日米安全保障条約第5条の適用を確認したことについて、公式な反応を示していない。台湾は尖閣の領有権を主張しているものの、米国が地域の安全保障に果たす役割を評価しているためだ。中国への刺激を避けたい思惑もある。

 外交部(外務省に相当)は5日、問い合わせてきた報道機関には「釣魚台列島(尖閣の台湾名)は固有の領土だ」と回答。しかし一部メディアがこの台湾側の回答を「声明を発表した」として報道していた。王珮玲報道官は「声明ではなく報道文でもない」と述べ、あくまで背景説明だとの立場を強調した。

 外交部は中国国民党の馬英九前政権下では、尖閣や靖国神社の参拝をめぐる日本側の動向が伝わるたびに声明や報道文を発表して抗議の意を示していた。だが、昨年5月の蔡政権発足後、正式な発表はない。対日配慮の表れとみられる。

 一方で日本の安全保障上の役割の増大については、台湾内部の一部世論や中国への配慮から積極的に歓迎することも控えている。

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