他人iPS細胞 患者募集も開始 重い目の病気 臨床研究スタート 理研など - 産経ニュース

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他人iPS細胞 患者募集も開始 重い目の病気 臨床研究スタート 理研など

ラジオ大阪の視覚障害者向け情報提供番組「話の目薬ミュージックソン」にゲスト出演した際の高橋政代プロジェクトリーダー(右)=大阪市港区
ラジオ大阪の視覚障害者向け情報提供番組「話の目薬ミュージックソン」にゲスト出演した際の高橋政代プロジェクトリーダー(右)=大阪市港区

 患者本人ではない他人から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)で目の病気を治療する再生医療について、理化学研究所などのチームは6日、対象となる患者の募集を始めたことを明らかにした。また、同日から臨床研究を開始したと発表した。

 臨床研究では、京都大がストックしている拒絶反応を起こしにくいタイプの特殊なiPS細胞を利用。理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが網膜の色素上皮細胞に分化させ、今年以降に神戸市立医療センター中央市民病院と大阪大付属病院で5人前後の患者へ色素上皮細胞を含んだ液体を移植する。

 対象となるのは、目の病気「加齢黄斑変性」と診断され、一般的な治療を受けても効果がない50〜85歳の患者。希望者は、かかりつけの眼科で治療の経過などを紹介状にまとめ、中央市民病院へ郵送する。対象になる可能性があれば、移植に使うiPS細胞と患者の免疫の型が合致するかなどの検査を同病院で行い、可否を決める。

 過去3年以内にがんと診断された患者などは、対象外となる。募集の詳細は、中央市民病院のホームページで公開している。

 臨床研究の主な目的は安全性の確認だが、特に今回は他人の細胞を移植するため、拒絶反応を抑えられるかの検証が焦点。高橋リーダーは、移植の実施や術後の経過などについて、その都度公表せず科学的な検証を行ったうえで明らかにする方針を示した。

 京都大iPS細胞研究所長を務める山中伸弥教授は「同研究所が提供する再生医療用iPS細胞ストックを使う初めての臨床研究であり、期待すると同時に身の引き締まる思い。ストックを使うことで時間と費用を大幅に削減できるため、iPS細胞を使った再生医療が普及するためには必要かつ重要なステップだ」と話している。