近大革命(6)

前例にとらわれない、素人だからこその強み…近畿大学広報部長 世耕石弘

インパクトある近大の広告の前に立つ世耕石弘さん=近大東大阪キャンパス(志儀駒貴撮影)
インパクトある近大の広告の前に立つ世耕石弘さん=近大東大阪キャンパス(志儀駒貴撮影)

▼(5)「志願者減らしたクビ」でも勝算あり…から続く

 近畿大学の入学センター入試広報課長として、志願者数を増やすことが使命となりました。ただ、以前にも書きましたが、そもそも私自身は大学受験の経験がありません。このため、大学入試の仕組みすら知りませんでした。「世耕さんのときは共通一次試験、センター試験のどちらでしたか」と聞かれても何のことかわからないくらいでした(笑)。

 配属先の入試広報課は、受験生に近大を志願していただくような広告・宣伝を展開するのが仕事でしたが、未知の世界に飛び込んだばかりで何を指針に仕事に取り組んでいいのか見当もつきません。そこで最初に、わらにもすがる思いで他大学の広告の情報をむさぼるように調べました。

 すると、建学の理念をキャッチコピーに使用する正当派の広告もありましたが、キャンパス風景や在学生の美男・美女を前面に出した広告ばかりが目立っていました。あるとき大阪市内を地下鉄で移動中、入試の出願締め切りを直前に控えた各大学のポスターをながめていると、思わずつぶやいていました。

 「大学名を隠したら、どこの大学のポスターかさっぱり分からんやないか」

 正直な感想でした。同時に大学の強みを理解し、何をアピールするかを考えて動き出したら広告・宣伝の分野で「自分にも何かができる」と確信しました。