核のごみ最終処分候補地で科学的有望地提示遅れる…気をもむ関係者

 原子力発電から生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定をめぐり、候補地としての適性の高さを3段階に塗り分けた日本地図で示す「科学的有望地」の提示が遅れている。政府は昨年中に公表する方針だったが、世耕弘成経済産業相は1月の会見で「スケジュールありきではない」と、有識者会議の議論が熟すのを待つ考えを示した。会議出席者には今年度内のマップ公表を唱える声もあるが、議論の行方次第でさらに遅れる恐れもあり、関係者は気をもんでいる。

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 「専門家の丁寧な議論の結果、結論が出る段階になれば結論が出てくる」。世耕経産相が科学的有望地の公表時期の具体的な見通しに言及を避けたのは1月27日の閣議後会見。同省資源エネルギー庁の担当者は「公表前の議論にそれほど時間をかけるつもりはない」と話すが、公表を期待してきた原子力関係者の間では失望が広がった。

 マップについて議論しているのは、核のごみを地下深くに埋めて隔離する地層処分の技術に関するワーキング・グループ(WG)。

 大学教授ら13人が委員を務め、昨年11月28日の第19回会合では、地層処分について「国民は漠然とした不安を抱いている」「科学的に緻密なデータを提示して『大丈夫だ』と主張する説明を不安がる傾向にある」などと指摘が出て、「マップの公表が誤解を招かないようにするにはどうしたらいいか」が課題となった。

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 マップは、最終処分地としてより科学的な適性のある地域を色分けして示すものだ。「適性が低い地域」「適性がある地域」「より適性が高い地域」の3種類が予定されており、活断層の有無や火山のリスク、核のごみ輸送の利便性などが色分けの基準になる。

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