イズミヤが関東から完全撤退…進出から30年 関西に集中へ

 阪急阪神百貨店などを展開するエイチ・ツーオー(H2O)リテイリング傘下の総合スーパー、イズミヤは、関東地方から完全撤退することを決めた。関西地方に経営資源を集中させて効率化を図るH2Oの「ドミナント戦略」の一環。すでに店舗の整理を進めており、最後に残る検見川浜店(千葉市)を5月中旬に閉店。イズミヤの約30年にわたる関東展開は幕を下ろす。

 イズミヤは、昭和62年に牛久店(茨城県牛久市)を開設して関東に進出し、最大で7店にまで増やした。しかし、東京近郊で大型ショッピングセンターの出店が相次ぐなどして競争が激化。食料品から衣料品、家電、家具までそろえる総合スーパー業態は苦戦し、採算の悪化した店舗を順次閉鎖してきた。

 リストラを進める一方で、食品スーパーを強化。平成26年6月にH2Oの子会社となり、食品スーパーを京阪神間を中心に展開する「阪急オアシス」と、共同仕入れや総菜部門の統合などに取り組み、運営の効率化を図ってきた。

 昨年11月には、イズミヤ独自のポイントサービス「スマイルポイント」を取りやめ、阪急オアシスや阪急阪神百貨店の「Sポイント」を導入するなど、サービスの共通化も進めている。また、今春からH2Oグループでサービスを始める電子マネー「リッタ」は、イズミヤでも扱う。

 H2Oの鈴木篤社長は「関西のお客さまに役立つサービスを提供する」と強調する。イズミヤが関東から撤退する一方で昨年4月以降、阪急オアシスを大阪府内で3店、京都市で1店を開業。セブン&アイ・ホールディングスから、そごう神戸店など百貨店3店舗の営業を引き継ぐことで合意するなど、ドミナント戦略を加速している。

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