衝撃事件の核心

「あなたは性病です」 詐欺クリニック院長がつけ込んだのは患者の「羞恥心」だった…

性病と偽り薬代を詐取したとして、詐欺容疑で逮捕された林道也容疑者(フードの男性)=東京都新宿区(橋本昌宗撮影)
性病と偽り薬代を詐取したとして、詐欺容疑で逮捕された林道也容疑者(フードの男性)=東京都新宿区(橋本昌宗撮影)

 「下半身」の病気となれば誰でも隠したいもの。家族や友人に相談すると風当たりを覚悟しなくてはならず、公言には勇気が必要だ。そんな世の男性の羞恥心(しゅうちしん)につけこみ、問題がないにもかかわらず「性病」と嘘の診断で薬代をだまし取っていたクリニックの院長が逮捕された。院長は「数千人診察した」と証言しており、被害は拡大する可能性もある。医療の専門知識を悪用した院長の錬金術とは-。

(※1月24日にアップされた記事を再掲載しています)

心当たりのない「クラミジア感染」

 東京都新宿区の繁華街の一角にある雑居ビルの9階。事件の舞台となった「新宿セントラルクリニック」は、ワンフロアすべてに入居している。

 陰部の腫れが気になった東京都国分寺市に住む会社役員の60代男性が、クリニック近くの駅にあった広告を見て訪れたのは、残暑もまだ厳しい平成24年9月のことだ。

 院長に血液検査を勧められた男性は言う通りに検査を受けた。後日、結果を待つ男性に院長は「陽性だったので、クラミジアなどに感染している」と告げた。

 クラミジアは性交渉などにより感染する性病で、家族や友人に大声で話せるようなものではない。

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