「自転車は車道の左端を走ってください」。3日朝の通勤時、地元自治体の交通安全パトカーがこう呼びかけながら通り過ぎた。確かに自転車のマナー違反、いや明らかな道路交通法違反を目撃しない日はまずない。一方通行道路の逆走、夜間無灯火、携帯電話をいじりながらの危険運転…。
▼無灯火の自転車で暗い道路を、携帯電話を耳に当てて逆走する人を見ることもある。運転者が周囲に十分注意できているとは思えないし、周りからも視認しにくい。こうなると、自転車は動く凶器そのものである。
▼事故はことさら違法運転をせずとも起こる。警視庁大森署が3日、重過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、自転車で男児(4)に重傷を負わせたアルバイトの少年(19)を書類送検した事件では、現場の見晴らしはよかった。
▼幼稚園の正門前で、道路側にふくらんでたむろしていた園児や父母らが、少年には通行の邪魔に見えたのか。大森署によると、少年は大きくよけずに押し通ろうとして男児をはねた。現在は反省しているが、当初は「相手が悪いという心境だった」と供述していたという。