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歯を含む「口腔(こうくう)」に関する疾患予防や衛生向上といった健康づくりをサポートする歯科衛生士。全国に10万人以上がいるといわれ、医療業界では看護師に並んで非常に需要の高い職業だ。特定の医院などで歯科医の診療補助を行う歯科衛生士が多いなか、丸橋理沙さん(32)は全国的にも珍しいフリーランスという立場で業界全体のレベルアップに全力を注いでいる。
「特定の医院に勤めていたら、一度辞めたら再び一からやり直さないといけません。人生のマネジメントを考えたとき、フリー(という自由な立場)で研鑽(けんさん)を積む方がいいと思いました」
現在は京都府内の歯科医院に勤務する傍ら、歯科衛生士のレベルアップを目指すセミナーなどで全国を飛び回る。今年は、患者が口を十分に開けられなくても口内の奥まで楽に届く医院向けの歯石除去用の新器具も発表した。
もともと子供の頃から化学に興味を持ち、薬剤師を志していた。「手に職を持ちたい」という意識が高まっていた平成15年、たまたま雑誌で知った新大阪歯科衛生士専門学校(大阪市淀川区)のオープンキャンパスを訪れたことがきっかけになった。歯型を取るための材料・アルジネートを練る作業などを通じて「面白い」と感じ、その翌日には受験。開校したばかりの1期生として入学した。