主張

円安誘導批判 不当な米の「介入」許すな

 トランプ米大統領が日本を名指しして、円相場を安値に誘導していると批判した。ドル高をすべて他国のせいにする言いがかりである。

 トランプ氏は各国の通貨安誘導が米国に不利益をもたらすとの見解を示していた。だから、日本批判は予想されていた面もあるが、理のない批判を悪びれずに展開することには、あきれ、失望する。

 安倍晋三首相が「批判は当たらない」と反論したのは当然だ。

 トランプ氏がこの問題を取り上げること自体、米国による露骨なドル安誘導にも映る。為替への無理解がもたらす口先介入だろうとも、見過ごすわけにいかない。

 それは、トランプ氏が2国間の通商協定で、通貨安誘導を厳しく制限する姿勢を打ち出しているからである。誤った認識に基づき、日本の政策に圧力をかけられる恐れがある。

 安倍首相は10日の日米首脳会談で、不当な要求には応じられない考えを明確に伝えるべきだ。

 足元のドル高は、利上げに転じた米国と、金融緩和を続ける日欧の金利差拡大などに起因する。米政権のインフラ投資や減税に期待してドルが買われていることも見逃せない。ここに目をつむり、他国を批判するのは筋違いだ。

 トランプ氏は「通貨切り下げや資金供給などを利用し、米国を出し抜いている」と指摘した。異次元緩和を行う日銀の金融政策を念頭に置いた発言なのだろう。

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