トランプ大統領始動

大統領令とは? 法律並みの拘束力、制限も

 難民・移民の受け入れ停止やTPPからの離脱など、トランプ米大統領が就任直後から大統領令を連発し、大きな波紋が起きている。(外信部 三塚聖平)

 大統領令とは議会での立法手続きを経ず、大統領が政策実現のため連邦政府機関や軍に直接発する命令のこと。合衆国憲法では明確に規定されていないが、官報に掲載されることなどで法律並みの拘束力を持つ。

 ただ、すでに確保されている予算で措置を実行しなければならない。また、議会は大統領令の内容を覆したり、修正したりする法律を制定して対抗できる。最高裁も内容が憲法に反する際には、違憲判断を示して大統領令を無効とするブレーキ役を担っている。

 こうした大統領の権限には、「大統領令」「大統領覚書」「大統領布告」の3種類がある。米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、トランプ氏は就任から1週間で6本の大統領令、8本の大統領覚書、1本の布告を出した。

 米メディアによると、歴代大統領で最も大統領令を活用したのはフランクリン・ルーズベルト大統領で、12年間で3721本の大統領令にサインした。大統領令には通し番号が振られており、日米開戦後の1942年2月にルーズベルト氏が出した「大統領令9066号」は、日系人の強制収容所への隔離措置につながったことで知られる。

 トランプ氏の前任のオバマ氏は在任期間に277本の大統領令を出している。