近大革命(3)

珍しい名字、進学で近大を避けた理由が転職の決め手に…近畿大学広報部長 世耕石弘

 やはり、子会社を整理したり、施設を閉鎖したりする記者発表です。大過なく記者会見が終わって、打ち上げの段になっても、会社にとって後ろ向きな発表ですので、心から喜べない仕事が続いていました。やはり精神的に疲れていたのだと思います。

 誘われたのは、19年8月に大阪・阿倍野に日本一の超高層ビル(現・あべのハルカス)建設を発表した記者会見を取り仕切った直後でした。近鉄にとって久々のビックプロジェクトを発表するという「攻めの広報」を経験できたことで気持ちに区切りがついていたことも背中を押しました。

 口説き文句は「世耕の名を背負っている以上は逃げられんやろう。覚悟を決めたらどうや」でした。

 「世耕」という珍しい名字が近大を進学先や就職先として避ける理由だったのですが、最後はこの名字が転職を決意する決め手になりました。   =続く

▼【近大革命(4)】大学の実力を評価されていない悲哀に奮起…に続く

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