浪速風

ニッパチは死語になった

高島屋でバレンタインデー商戦の内覧会が行われ「ベルサイユのばら」とコラボしたスペシャルケーキが登場=大阪市中央区(前川純一郎撮影)
高島屋でバレンタインデー商戦の内覧会が行われ「ベルサイユのばら」とコラボしたスペシャルケーキが登場=大阪市中央区(前川純一郎撮影)

妻の誕生日に息子から花が贈られてきた。ここ数年の恒例で、妻も今年はどんな花かと楽しみにしている。作家の山口瞳さんも「消えものがいい」と、新築祝いなどは酒1本とバラの花束を持っていったそうだ。「贈りものというのは心意気である。それが通じればいい」(「礼儀作法入門」から)

▶バレンタインデーが近くなって、デパートの特設売り場がにぎわっていた。こちらはチョコレートと決まっているが、驚くほど種類が多い。たかがチョコとあなどれない。海外の老舗菓子店や、有名ショコラティエの手になるものが人気で、値札を見るとン万円もして目が点になる。

▶マルセル・モースは「贈与論」で、贈りものには返礼する義務があり、互酬性が社会を活性化させるとした。バレンタインデーにはお返しをするホワイトデーがある。2月と8月は売り上げが落ちるので「ニッパチ」と呼ばれたが、節分の恵方巻きも定着して、いつの間にか死語になった。