「停車時にポケモンGOを操作して、きちんと(周囲を)確認することに気がいかなかったのでは」
「停車中でも危ないと思わなかったのか」
「ミニバイクに気づかなかった原因は」
文字通り運転している最中はポケモンGOをしていないというのが被告側の立場。だが検察側は、そこに真っ向から反論するのではなく、停車中も含めて大型クレーン車に乗っている「運転中」の安全意識を問題にしているようだった。
「捕まえようとするわけですよね?」
検察側の追及に対し、「当時は止まっているときならある程度、大丈夫だと思っていた」と答えた被告だったが、検察側がこうした側面から被告を追及した背景には、ポケモンGOというゲームの特性があると考えられる。
ポケモンGOは、アプリを起動して町を歩き回るなどしているとポケモンと遭遇し、これを捕獲するというもの。「動いている」ことがゲームにとって重要なポイントなのだ。
被告人質問では、裁判官もここを重視しているようだった。
「携帯をハンドルの隣の速度メーターがあるところに置いて、(大型クレーン車内の)安全確認用モニターがそばにある。ゲームがあると気が散るんじゃないか」
「見たことのないモンスターが出てくると捕まえようとするわけですよね。そうすると気が散るんじゃないか」
裁判官から問いただされた被告は、あくまでこう主張した。
「(運転中はポケモンGOは)見ていない」
「そこまでゲームの方に気はいっていなかった」