「爆買い」は影をひそめたようだが、今年も春節は中国などからの訪日客でにぎわっている。関西国際空港の昨年1年間の利用者数は前年比9%増の2523万人で、初めて2500万人を超えた。うち国際線の外国人旅客は1216万人に上る。名実ともに「空の玄関」になったと感慨深い。
▶開港から23年、平坦(へいたん)な道のりではなかった。当初はアジアのハブ空港を目指したが、各国に次々できた新空港に規模や機能で太刀打ちできず、高額な着陸料がネックとなって就航便数が増えなかった。経営が軌道に乗りそうになると、米中枢同時テロで航空需要が減少し、さらにリーマン・ショックが襲った。
▶転機になったのはLCC(格安航空会社)の登場と、アジアの経済成長である。いわば神風で、なお上昇して安定飛行に移れるかは未知数だ。LCC専用の新しい国際線ターミナルビルが開業したが、業績が好調なうちに将来を見越して投資をするのが鉄則である。