湯浅博の世界読解

トランプ大統領は「現状破壊勢力」の先頭に立つ気か 閣僚に対する「聞く耳」次第で将来決まる

彼は「内向きの風」が吹き荒れた大恐慌時代の危機をあげた。ルーズベルト大統領は当初、世論に迎合して欧州戦線に距離を置いていた。この孤立主義が、結果的にナチズムの台頭を許す遠因となったとの解釈である。

新大統領がレーガン大統領をまねて「偉大な米国の復活」を叫んでも、国際主義の共和党主流派と見解が対立する。レックス・ティラーソン国務長官候補(64)はTPPに賛成だったし、ジェームズ・マティス国防長官(66)はロシアへの敵意を隠さない。彼らとの意思疎通を欠いたまま、大統領が独断専行すれば早晩、政権内の混乱を招くことになる。

かつて、「ミズーリの田舎者」といわれたトルーマン大統領が、冷戦の戦士に脱皮できたのは、「賢人たち」と言われた閣僚らが支えたからである。トランプ政権が迷走するか否かは、彼に聞く耳があるかどうかにかかる。

(東京特派員)

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