湯浅博の世界読解

トランプ大統領は「現状破壊勢力」の先頭に立つ気か 閣僚に対する「聞く耳」次第で将来決まる

だが、関税の大幅引き上げや輸入制限は、世界貿易機関(WTO)のルールを破壊する。エコノミストは、トランプ大統領がすべての対中政策を実施すると、下降気味の中国経済のハードランディングもあると予測している。

中国の習近平主席(63)がスイスの世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席し、米国の保護主義を批判したのは本音と建前がありそうだ。表では米欧に代わる「グローバル化の旗手」を装いつつも案外、心の叫びだったのかもしれない。中国の国内総生産(GDP)が急落すれば、中国共産党に対する不満が一気に爆発しかねないからだ。

トランプ新大統領はすでに、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を排除し、オバマ政権の遺産と政策の継続性を破壊している。

1991年秋、湾岸戦争に勝利した初代ブッシュ大統領に対して、コラムニストのパット・ブキャナン氏が「米国第一主義」を突きつけたことがあった。このとき、政府高官が「国際主義はコストが高くつき、孤立主義はリスクが伴う」と反論していた。

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