「ブルマ」は、昭和世代には懐かしい響きだが、今はブルマを知らない子たちも多いと聞く。その昔、なぜ体操着として採用されたのか、そもそもなぜブルマとよばれるのか。謎はつきない……。そこで『ブルマーの社会史 女子体育へのまなざし』の著者である掛水通子さんに話を聞いてみることにした。
男女で体操着はおろか授業内容も違った時代
まず、現在の小学生の体操着事情について聞いた。
「一昔前は男子ショートパンツ、女子はブルマというのが一般的でしたが、今は男女ともハーフパンツやクォーターパンツです。一昔前は中学校・高校では授業も男女別々で、女子だけにダンス、男子だけに武道などという差がありました。時を経て、学習指導要領の改定により中高の教育内容は男女同一になり、体育の授業内容も同じになりました。その後選択制の導入も関係し、男女共修が始まりました(実際には今でも、共学校でも男女別修の学校もあります)。このことが、ブルマからハーフパンツへの移行に影響を及ぼしました。男女同じ授業を男女同じ服装で受けることになった結果、ブルマは消滅しました」(掛水さん)
男女平等の時代がブルマを消滅させ、今では言葉自体を知らない子どもがいるのだ。
ブルマの長い歴史
では、体操着に採用されたのはいつだったのか。その歴史を教えてもらった。