台湾の国連残留、最後まで尽力 中国の抱き込み工作も記録 ニクソン・ショックに揺れた佐藤栄作政権 楠田實・元首席秘書官の資料まとまる

 中国代表権問題はポスト佐藤をにらんだ政局に利用された。10月29日作成の報告書は「中国問題は、内外情勢の変化に伴う国民の不安感と不満のはけ口として利用され、長期政権化した佐藤内閣の倒閣運動につながっている」と指摘。中国の国連参加と台湾の議席を守る佐藤内閣の方針は「至極当然」であり、「外交的には、与えられた状況のもとでの最善の方策であった」と総括された。

 日本政府は中国側との接触を急いだが、中国は、台湾と結びつきが強い佐藤政権と日中国交正常化を実現するつもりはなかった。

【用語解説】ニクソン・ショック

 米国のニクソン大統領が1971(昭和46)年に電撃的に発表した2つの宣言。一つは7月に発表された電撃訪中で、翌72年2月、毛沢東主席と会談して米中の関係改善をうたった「上海コミュニケ」を発表した。もう一方は71年8月に発表されたドルと金の兌換(だかん)停止。いずれも世界に大きな衝撃を与えた。

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