積翠寺温泉「要害」122年の歴史に幕 武田信玄が温泉で産湯 31日閉館 障害者施設として再生 山梨

甲府市街を見下ろす眺めが人気だった露天風呂=23日、上積翠寺町
甲府市街を見下ろす眺めが人気だった露天風呂=23日、上積翠寺町

 甲府市の積翠寺温泉で122年の歴史を誇る旅館「要害」が、31日夜の宿泊客を最後に閉館する。閉館後は改装し、4月から障害者施設として生まれ変わる。山本淳仁社長(52)は「多くの人に惜しまれ心苦しいが、地域貢献の新しい形を目指すこととした」と話している。

 「要害」は明治27年に創業した。近くの積翠寺で1521年、武田信玄公が生まれ、温泉で産湯をつかったとされることから、「信玄公ゆかりの湯」として全国的に有名になった。

 だが、利用客は昭和30〜40年頃をピークに減少。宿によると、ここ10年間は横ばいで、日帰りを含め年間約1万5千人が利用し、売上高は1億円程度で推移していた。

 閉館を決断したのは昨年8月。山本社長は「温泉は設備投資や改装が不可欠。出費と返済の繰り返しが続くため、方針を転換することが最善と考えた」と振り返る。現在の建物は築28年。高度経済成長の時代のように客足が伸びないなかで、老朽化する施設の維持や改修は多くの旅館が抱える悩みだ。

 今年4月からは、親族が運営する韮崎市のNPO法人と協力し、障害者が住み込みや通所で農作業や内職を行い、自立を目指す施設に生まれ変わる。

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