「なぜあそこにいたのか覚えていない…」 横浜小学生死傷事故3カ月、高齢ドライバー対策へ模索続く

 事故を受け市は現場付近に急遽(きゅうきょ)、「歩行者注意」と道路表面にペイントした路面標示を2つ新設した。昨年12月には約1億円規模の補正予算を組み、通学路の安全対策を強化。現在、市内の33学区で通学路になっている道路で、路側帯の塗り直しやガードレールの設置などを進めている。

新学期も別ルート

 ただ、安全対策には限界もある。

 現場周辺にはガードレール設置などの案もあがったが、車いすの利用者の移動が困難になるなどの問題があり、地元住民との協議が続いている。港南区内はもともと現場のような狭い道が多いといい、市の担当者は「ハード面での対策は面積的にも難しい」と打ち明ける。

 桜岡小では、事故以降、通学路を別ルートに変更しており、4月からの新学期以降もこうした迂回(うかい)措置を続ける方針だという。

 事故をめぐっては、軽トラックを運転していた同市磯子区洋光台の合田政市容疑者が県警の調べに、「なぜあそこにいたのか覚えていない」などと供述。事故当時の記憶があいまいなことから、認知症の疑いが指摘され、2月10日までの予定で鑑定留置されている。

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