■相談窓口設置、資格取得などに助成
練馬区は、区内の約6800世帯の「ひとり親家庭」を総合的に支援するプロジェクトを始動する。福祉部内に専門の係を新設、ファイナンシャルプランナーら専門家も加えた総合相談窓口を6月に開設し「生活・子育て・就労」の3分野を横断的にパックで支援するのが特徴。こうした総合的なひとり親支援は都内自治体で初という。
区はプロジェクトのため新年度予算案に約1億4千万円を計上した。総合相談窓口として「ひとり親家庭支援係」を設置。相談は夜間や休日も受け付けるほか専門サイトを新設、メールでも相談を受け付ける。
就労分野では、キャリアカウンセラーを同係に配置し就労に向けた相談を受ける。就職に有利な資格取得促進のため、ひとり親が専門学校などへの通学期間中、月額給付金(非課税世帯10万円、課税世帯7万500円)に区独自で上乗せし一律14万円を支給する。
パソコンのセミナーや通信講座も実施する。自立に向けた子供預かり支援強化のため、最大8時間25日利用できるベビーシッター・クーポンを発行する。
生活分野では、ファイナンシャルプランナーを配置し長期的な家計の収支相談を受ける。離婚届交付時は養育費を取り決めるための合意書のひな型を交付。保育付き支援講座も開く。
子育て分野は、小学4年〜中学2年の子供を対象に家庭訪問型の支援を行い、生活習慣の指導や学校や家庭の悩み相談に応じる。
都福祉保健局によると、練馬区の平成26年度の都の児童育成手当受給者数は6791人と23区内では3番目。27年度の国の児童扶養手当受給約4700世帯のデータを分析したところ、ひとり親の正規雇用は約3割にすぎないことが判明。
これを受けて28年度、ひとり親家庭のニーズ調査を実施したところ、「資格を取るために学校やセミナーに通いたい」などの回答が多かった。
同区の佐川広(ひろし)福祉企画課長(40)は、「ステップアップしたい意欲が高い人が多いことがわかった。総合支援することで貢献できれば」と話した。