関西の議論

「なんで、ここなんや!」タワマン住民反発、児童相談所は〝迷惑施設〟か…大阪市の設置計画撤退の裏事情

 厚生労働省によると、全国の児相での対応件数は平成27年度、初めて10万件を突破。政令指定都市の中で最多となる大阪市では4664件に上り、10年前の17年度(747件)と比べて6倍以上になっている。

 市内の児相は、昨年9月までは中央区にある「こども相談センター」の1カ所のみだった。市は10月、平野区内に2カ所目となる「南部こども相談センター」を開設した。市南部に位置する平野、阿倍野、住吉、東住吉の4区内の相談を受ける態勢が整ったが、残る20区は中央区のセンター1カ所で受け持つ状況が続いている。

 開設を目指す北部センターは残る20区のうち北、都島、福島、西淀川、淀川、東淀川、旭の7区を所管する予定だ。

「子供の目線が欠如」

 児相は忌み嫌われる〝迷惑施設〟なのか。取材してみると、市が北部こども相談センターの候補地としていた地域の自治会からは、設置に前向きな声が聞かれた。

 市が当初、最有力地の一つとして検討した東淀川区の南方保育所跡地は、敷地面積が十分でなかったため設置が見送られた。同保育所がある南方住宅自治会の代表、阪本ヒデミさん(71)は「空いている場所だし、実現できるなら歓迎したい」と語る。

 阪本さんは反対の動きについて「『うちには来ないで』という大人たちの声を、事情を抱える子供たちが聞いたらどう思うか。子供の目線が欠けている」と指摘。「子供が非行に走ったり、虐待を受けたりするのはすべて親や大人の責任だ」と話し、地域が柔軟に子供のための施設を受け入れるべきだと語る。

 一方の南部こども相談センターは大通りに面し、周辺にはカラオケ喫茶や洋服店、スーパーが並ぶが、周辺では設置に好意的な意見が相次いで聞かれた。