強い冬型の気圧配置の影響で県内各地は24日、降雪が続いた。国内有数の豪雪地と知られる津南町では午後6時現在で積雪は199センチとなり、住民らは除雪作業に追われた。高齢化が進む同町では除雪作業が大きな負担となっており、2万9100円分の除雪利用券を配る「要援護世帯除雪援助事業」などでサポートしている。ただ適用範囲が限られているといった課題もあり、町は対応に苦慮しているのが現状だ。
同町が昭和56年に導入した同事業は、1人暮らしの高齢者や母子世帯など重労働の除雪作業が困難な世帯が対象。自宅の屋根や玄関先の除雪を専門業者などに依頼する費用として、除雪利用券を発行している。
利用券を受け取った住民は、除雪を代行する業者や近隣の住民らに、除雪代として当事者同士で合意した分の利用券を渡し、町が利用券を換金する仕組み。福祉保健課によると、今年度は131世帯がこの制度を利用しているという。
年金暮らしの高齢者にとっては大きな支えとなっている一方、補助の適用範囲が狭いとして一部では不満の声も上がっているという。補助対象は屋根の雪下ろしが必要な家屋の住民に限定されており、雪が落下する仕組みや融雪装置を備えた屋根がある家屋の住人には利用券が配られない。福祉保健課の担当者は「補助の適用範囲を広げたい思いもあるが、予算を超えてしまうため難しいのが現状だ」と話す。
町内では既に積雪が2メートルを超えた地域もある。同町下船渡の自宅近くで除雪していた女性(63)は「毎年のことなので仕方ない。今年はまだ例年より雪は少なくていいのだけど、いつものように周囲の空間を埋め尽くすほどの雪が積もると困る」と話した。
24日の24時間降雪量は午後6時現在で、妙高市32センチ▽湯沢町25センチ▽関川村21センチ▽津南町19センチ▽十日町市18センチ-など。鉄道のダイヤが乱れ、吹雪のため上信越道の一部区間が通行止めとなったほか、新潟空港の発着便にも欠航や遅れが出た。