野口裕之の軍事情勢

「日本と14年間戦って勝った」という中国の弱味 「逃げ回って正解」と公言した毛沢東が邪魔?

 正月早々、もっと笑わせてくれるかと期待していた分、中国には大いに失望した。中国は中学校から高校までの歴史教科書の「抗日戦争」に関する記述について、従来の1937〜45年までの8年間を、31〜45年へと全面修正を決定したが、たった6年間の延長とはいかにもスケールが小さく、「中国らしさ」を欠いている。

 いっそ、日本人も加わり中国大陸の沿岸部などで海賊行為や密貿易を行った「倭寇と戦った」と定義すれば、「抗日戦争」はウン百年もさかのぼれる。明軍と戈を交えた《文禄・慶長の役》だとすれば、400年以上も日本と戦い続けたことになるのに。

 もっとも、《日清戦争》を起点に「抗日戦争50年」を目指す動きもあるようで、異民族の王朝まで引っ張り出し、歴史の粉飾・ねつ造にふける歴史観は伸縮自在の、まるで「日本製パンツのゴム」のよう。イヤ、違う。伸びっぱなしで、縮むことはない、粗悪な「中国製パンツのゴム」そのものだ。ただ、中国人にとって粗悪か否かは意味がない。粗悪なら、他人の下着を盗めばいい。

 「他人のフンドシで相撲を取る」

 抗日戦争の「8年説」は《盧溝橋事件》の1937年を、「14年説」は《柳条湖事件》の1931年を始まりにする。しかし、満州事変(1931年)以降、支那事変(1937年)が大東亜戦争に拡大する中、精強な大日本帝國陸海軍と戦ったのは専ら国民党軍だった。

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