TPPやNAFTAなんぞはくそ食らえ、メキシコとの国境にはもちろん、壁をつくる…。
これまで「自由の国」米国では、思いもよらなかった政策が次々と現実化するのをわれわれは目撃することになろう。
弱肉強食時代に対応急げ
では、「トランプ時代」に日本はどう対処すべきなのか。
今さらヒラリー・クリントンの方がましだったと嘆いても、TPPの効用を新大統領に説いても時間のムダ。泣いても笑っても4年間(8年になる可能性もかなり高い)は、非寛容で弱肉強食の「米国第一」を突き進むトランプ時代が続く、という現実から出発しなければならない。
政権の行方をじっくりと見定めてから、と悠長に構えていては、たちまち「米国第一」にのみ込まれる。
「米国第一」主義には「日本第一」主義で対抗するしかない。
日本で商売したいなら、この国に投資するのは当たり前。日本人は日本でつくった製品を買い、この国の農産物を食べよう。安全保障も米国におんぶにだっこではなく、もっと防衛力を整備しよう。もちろん、装備品は国産が原則だ。
70年も80年も前の証拠も数字もあやふやな事柄をいつまでも持ち出す国は放っておけばいい。
各国が自国中心主義で突き進めば、摩擦は必ず増大する。そこではじめて「外交」という名の「取引」が始まる。日本は好むと好まざるとにかかわらず、「戦後」のその先の時代に突入したのである。