マーチン・スコセッシ監督に聞く・動画付き

映画「沈黙-サイレンス-」 慈悲と許しを見つめて

 《江戸時代初期。宣教師のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)は、師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が厳しいキリシタン弾圧を行う日本に潜入後に棄教した、と聞く。衝撃を受けた彼は、ひそかに日本に上陸するが、間もなく捕らえられてしまう。役人らは、ロドリゴ自身にではなく、日本人信徒に拷問を加え、彼らを救うために棄教せよ、と迫る…》

 私は溝口健二監督、黒澤明監督などの日本映画に親しんでいましたが、「沈黙」を映画にするためには、もう少し文学などほかの芸術を通じて日本文化を知る必要がありました。

 それから日本について研究を続けました。私生活でも再婚をして娘を得るなど、さまざまな変化があり、ようやく脚本が書ける、という確信が持てたのは、「ギャング・オブ・ニューヨーク」を撮った2003年頃のことでした。

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