安倍晋三首相施政方針演説

「教育」 憲法改正による無償化に意欲にじます 野党賛同へ布石

昨年11月18日に宮城県名取市のイオンモールに開園した「イオンゆめみらい保育園 名取」(イオン提供)
昨年11月18日に宮城県名取市のイオンモールに開園した「イオンゆめみらい保育園 名取」(イオン提供)

 安倍晋三首相は20日の施政方針演説で、70年前に施行された日本国憲法で小中学校の無償化を定めたことに触れた上で、次の70年に向け「誰もが希望すれば、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければならない」と訴えた。大学までの教育無償化をテコに憲法改正を目指す考えをにじませた格好だ。教育無償化の必要性は多くの与野党が共有しており、改憲実現に向けた議論の呼び水にする狙いがある。

 演説では「子どもたちが夢に向かって頑張れる国創り」と題し、教育に手厚く言及した。第2次政権発足後、施政方針演説や所信表明演説で教育を主要項目に据えたのは初めて。大学進学者らへの返還不要の給付型奨学金を創設し、児童養護施設出身など学費負担が重い人を対象に来年度から先行実施することや、幼児教育の無償化拡大などを表明した。

 憲法が普通教育の無償化をうたい、小中学校9年間の義務教育制度が始まったことにも言及。さらに「本年はその憲法施行から70年の節目だ」とし、「高等教育も全ての国民に真に開かれたものでなければならない」と強調した。

 教育無償化では、日本維新の会が憲法改正による完全無償化を目指している。民進党も次期衆院選の公約原案で大学までの無償化を掲げ、共産党も無償化の必要性には賛同している。首相は「日本の未来を共に切り拓いていこう」とも呼びかけ、憲法改正への本格議論に布石をうった形となった。